とまあ、長岡のテッチャンが泣いて喜ぶほど、飛び抜けた優秀録音なんですが、肝心の音楽の中味に関する話はほとんど伝わってこない。なぜか? 内容がないからです。やっている音楽は詐欺師的、欺瞞と自己顕示欲に充ち満ちたインチキそのもの。パニアグア一族の中で、このグレゴリオだけはいつの間にか消えてなくなっちゃいました。
さて、そんな『古代ギリシャの音楽』ですが、全く根拠がナイというわけでもなくて、その中に含まれている『セイキロスの墓碑銘』という一曲は現存する世界最古の音楽の一つだろうとは想像できます。
この墓石は、古代ギリシャのアルテミス信仰の聖地であった小アジアのエフェソスの近郊で発掘されたもので、恐らく紀元前2世紀ぐらいのもの。墓石には音楽の他に次の文言が彫られています。
「わたしは墓石です。セイキロスがここに建てました。決して死ぬことのない、とこしえの思い出の印にと。」
刻まれた歌詞に音の高低とリズムを表す記号がつけられています。歌詞は次の通り。
生きている間は輝いていてください
思い悩んだりは決してしないでください
人生はほんの束の間ですから
そして時間は奪っていくものですから
何となく、ヘレニズム時代の大らかな人生観を表現しているようにも思われます。細かいことはさておくとして、19世紀に発掘されてすぐに解読されたんですが、多分この解読には説得力があると思います。五線譜に転写した旋律。
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