東京芸術劇場 ジェラール・コルステン指揮 読響 w.エヴァ・メイ
2015-03-22


昨日(3月21日)は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。指揮はジェラール・コルステンという人。もともとヴァイオリン弾きだそうです。ネヴィル・マリナーみたいですね。マリナーを初めて聞いたときは、まだヴァイオリンを弾きながら指揮していましたが、ものすごく透明な音色が際立っていました。ここまでクリアーなサウンドが作れるものなのかと、驚いた記憶があります。一方このコルステンという人は、響きには無頓着。読響にしてはかなり鈍重な響きがしていました。最初にモーツァルトの「プラハ」。まるでブルーノ・ワルターの古い録音を聞いているかのような重々しいモーツァルト。今の奏法ならもっと開放弦のシャリーンとした響きが聞こえるはずのニ長調。ヨーロッパでも未だにこんな音楽をやっている人がいるんだって、ちょっと驚き。続いて奥方のエヴァ・メイが登場してモーツァルトのコンサート・アリアを2曲。「あわれ、ここはいずこ」K.309と「うるわしい恋人よ、さようなら」K.528。ちょっと声が出ていなかったかな。それと反響板を一番下まで下げちゃったので、ステージ上で音が飽和して、言葉がほとんど聞き取れない。オケも鈍重だし、耳を覆いたくなるできでした。

後半は『ティートの慈悲』序曲。これはまあまあ聞けたかな。再びエヴァ・メイが登場して2曲。『ティートの慈悲』からバセットホルンのソロが美しいヴィッテリアのアリア「花の美しい鎹を編もうと」。バセットホルンが何とも控えめで感興を削ぐこと甚だしい。ソプラノを引き立てているつもりだったのかなぁ? アンバランスで不思議な演奏でした。もう一つは『イドメネオ』からエレクトラのアリア「オレステとアイアースの苦しみを」。ある意味狂乱の場のような曲ですから、これはかなり盛り上がりましたねぇ。続いてアンコールに『後宮からの誘拐』からブロンデのアリア「幸せと喜びが」。メリスマもぴったりはまって、これはなかなか聞かせてくれました。最後にオケの演奏でハフナー・シンフォニー。また鈍重な響きが眠気を誘う演奏。

ティトゥスもイドメネオもモーツァルトの時代にはカストラートが歌った役を、今ではアルトかメゾが歌うので、ちょっと倒錯的・宝塚的趣があるオペラ。もっとも日本では滅多に上演されませんが・・・

ティトゥス』のヴィッテリアのアリア「花の美しい鎹を編もうと」。ジョイス・ディドナートです。

ティトゥスからガランチャの歌で、やはりクラリネットが大活躍するセストのアリア「私は行く」。

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(追記)
こんな映像がありました。バルトリ姐ちゃんのセスト。クラリネットがザビーネ・マイヤーです。
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