昨日は茗荷谷のラリールという小さなホールで桑形亜樹子のチェンバロを聞いてきました。2/26に続いてこのホールでは2回目。「対位法〓宇宙の摂理」という全4回シリーズの2回目で、この日は「イングランドの黄金」というタイトル。いわゆるバージナル楽派と呼ばれるバードとブル、それにバッハを加えたプログラム。
イギリスの音楽には全く疎いので、細かく説明したりはできないんですが、『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』など視覚的に譜面を眺めていると、16分音符や32分音符で細かく装飾を書き込んであるのが特徴的。あんまり対位法的に絡まった音楽というイメージでもないんだけど、よくよく聴いてみれば、ダンス・ミュージックでもやはり対位法的に書かれているんですねぇ。踊りの音楽の場合、3声や4声でがっちりと書かれているというよりは、文字通りのカウンター・ポイントで響きとしては和声の連なりのように聞こえている中、1声部だけメリスマ的に分割して、細かな音符が独自な動きをしているようなところが特徴的なのかなぁ。
前半は「パヴァーンとガリアード」それにアルメイン(アルマンド)といった舞曲が演奏されました。メロディーを知っているのはバードの「涙のパヴァーン」ぐらいだったですが、どれも何となく懐かしいような、それでいて技巧的な聴き応えもある音楽でした。変奏曲のスタイルと言っても、各変奏がリズムパターンや装飾法などで統一されているってわけでもなく、かなり気ままに流れていく感じがしました。ブルの「スペインのパヴァーン」は壁ドンの、いやカベソンのナントカと同じメロディーだとか言われても困ってしまいますが、まあ当時有名な曲だったのかな。前半の最後はバッハのフーガの技法から第3番。
後半は宗教曲。イン・ノミネ、ミゼレーレ、サルヴェ・レジーナといったお馴染みの(?)曲が並びますが、ブルのサルヴェ・レジーナだったかな、偶数拍子と3連符が絡んでリズム的に面白い曲がありました。対位法的な書法にリズムの変化がつくと聞いていて面白い。後半のバッハはコントラプンクトゥスの4番。最後にブルのウト・レ・ミ・ファ・ソ・ラ。さほど長い曲じゃないんですが、12の調を全部巡っていく転調の技法はバッハもびっくりってことかな? 最後に拍子がちょっと変化して、ドレミファソラ・ラソファミレドって具合に、下降音型も飛び出してきて、ものすごく聴き応えのある曲でした。
最後に2月のリサイタルでもアンコールで弾かれたブル博士の「お休みなさい」が演奏されました。
実は音楽会の前にちょっと早出して小石川近辺を散歩しました。
文京区のスポーツセンターの脇を北側に下っていくと、鬱蒼とした森と池(水たまり)があります。ここは水戸光圀の弟、松平頼元の屋敷だった所。ツツジが咲いていました。
池の畔にはシャガ(Iris Japonica)の群落。
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