昨日(7月18日)は芸術劇場で掲題のオケを聞いてきました。台風の後の何となく安定しない天気で、時折ザーッと落ちてくる空模様。うちからなるべく地下道を伝うようにしてホールに到着。入り口に前売りで完売、当日券は出ないという掲示。「へぇ」なんて思いながら、暑いんで開演前にビールを一杯。
指揮者はポリャンスキーというこのオケの常任。いつまであるかわかりませんが、この演奏会の
チラシはこちら[LINK]。ガスプロムなんかが後援していますねぇ。「ムラヴィンスキー、スヴェトラーノフ以来の爆演型指揮者、ヴァレリー・ポリャンスキー初登場!」という謳い文句がなんとも胡散臭いなぁと思いつつもチケットを買ったんですが、まあ楽しめました。
まずロシア国立交響楽団という名称から。
こちらのページに[LINK]、最近のロシアオーケストラ事情にかんする比較的わかりやすいリストが作成されています。「ロシア国立」というとどうしてもスヴェトラーノフが振っていた「ソヴィエト国立」を思い浮かべてしまうんですが、どうも違うらしい。あのオケは現在では「スヴェトラーノフ記念ロシア国立」。プレトニョフが始めた「ロシア・ナショナル」というのもありますが、「ロシア国立」とは別。スピヴァコフのオケも「ロシア・ナショナル」ですが、これも「ロシア国立」とは別。今回来日の「ロシア国立」というのは、キリル文字は読めないからアルファベットの表記でState Symphony Capella of Russiaというものらしい。これは「モスクワ放送オペラシンフォニー・オーケストラ」というのが元々の名称らしいんだが、これはまた有名なフェドセーエフが振っている「モスクワ放送シンフォニー・オーケストラ」とは別物。フェドセーエフの所は現在では「モスクワ・チャイコフスキー記念」とかいうらしい。
「モスクワ放送オペラシンフォニー・オーケストラ」というやつがその後、ロジェストヴェンスキーが振って「文化省オケ」という名前で何度か来日公演をやったんですが、そのなれの果てが今回の「ロシア国立」というオケなんだそうだ。面倒くせぇなあ。ロジェストヴェンスキーとロストロポーヴィチは西側に渡って金の亡者になったというのは有名な話ですが、その時に放り投げていっちゃったってことかな。
ロシアはもともとものすごく質のいい音楽家をわんさかと輩出していましたが、ロシアのオケは90年代に団員を猛烈に買い叩かれて(というか、よりギャラのいい西側へと楽員が流出して)、来日公演のたびに質が落ちていくのが何とも悲しかった。ムラヴィンスキーが倒れてその代役でヤンソンスが振ったレニングラード・フィルが最後の輝きだったと思います。(確か5000円ぐらい現金で払い戻しがあった)。今回の公演のチラシの下品な謳い文句のような「爆演」ではなくて、真剣で切り結ぶような、どこをとっても切れ味鋭い音楽。クラシック音楽の世界の尋常ならざる崇高な世界を見せてくれていました。
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